マラソン前夜に眠れない!睡眠不足で記録は落ちる?研究から分かった大会前の睡眠対策

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マラソン大会の前夜。

「明日は何時に起きよう?」
「朝ごはんは何を食べよう?」
「目標タイムで走り切れるだろうか?」

そんなことを考えているうちに、気がつけば夜中の1時。

早く眠らないといけないのに、なかなか寝つけない。

そして、さらに焦ってしまう。

マラソン大会を控えたランナーなら、一度は経験するかもしれない状況です。

2026年11月15日(日)には神戸マラソンが開催されます。

僕自身も、初フルマラソンを経験し、現在はサブ3.5、そしてその先のサブ3を目指して走っています。

大会が近づくにつれて、練習だけでなく、身体のコンディションをどう整えるかも重要になってきました。

そこで気になったのが、マラソン前夜の睡眠不足は、どれほどレースに影響するのか? という疑問です。

調べてみると、意外な研究結果がありました。

研究①|大会前夜に約7割のアスリートが普段より眠れなかった

2014年に発表された研究では、103人のアスリートを対象に、大会前夜の睡眠状態と、その後の気分や競技成績との関係を調べています。

その結果、約70%のアスリートが、普段より睡眠状態が悪かったと報告しました。

睡眠を妨げた主な原因には、試合への不安、周囲の騒音、トイレ、早い競技開始時刻などがありました。

さらに、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりした選手ほど、競技前の疲労感や緊張感が強い傾向も確認されています。

ただし、ここで興味深い結果があります。

この研究では、大会前夜の睡眠の乱れと、相対的な競技成績との間に有意な関連は確認されませんでした。

つまり、前夜によく眠れなかったからといって、必ずしも競技成績が悪くなるとは限らないということです。

もちろん、これは睡眠不足が無害だという意味ではありません。

研究対象はマラソンランナーだけではなく、対象人数も103人です。

また、関連が確認されなかったことと、影響が存在しないことは同じではありません。

それでも、前夜に眠れなかったという理由だけで、レースを諦める必要はないと考える材料にはなりそうです。Taylor & Francis Online

研究②|大会前夜の睡眠は、必ずしも悪化するわけではない

実は、すべての研究で「大会前夜は眠れなくなる」という結果が出ているわけではありません。

2019年に発表されたシステマティックレビューでは、アスリートのトレーニングや競技が睡眠に与える影響を検討しています。

その結果、競技前夜の睡眠時間や睡眠効率が、周辺の日と比べて一貫して悪化するという証拠は見つかりませんでした。

一方で、競技終了後の夜には、睡眠時間や睡眠効率が低下する傾向が確認されています。

つまり、大会前夜の睡眠については個人差が大きく、競技の種類や生活環境によっても結果が異なるということです。

ただし、このレビューは男性のチームスポーツ選手を多く含んでおり、市民マラソンランナーにそのまま当てはめられるとは限りません。DOI

研究③|2021年の専門家提言では「睡眠時間は個人に合わせる」

2021年には、スポーツ選手の睡眠に関する専門家の提言が発表されています。

この提言では、アスリートは睡眠不足に陥りやすく、特に日常的に7時間未満しか眠れていない場合には注意が必要だとしています。

ただし、全員に一律の睡眠時間を指定する方法は適切ではないとも指摘しています。

必要な睡眠時間には個人差があるためです。

一般的に成人では7〜9時間程度が目安として紹介されますが、競技者では練習量、疲労、年齢、生活環境などを考慮する必要があります。

また、睡眠を増やすことが役立つ可能性はあるものの、大会前に数日長く眠れば必ず記録が改善するという確実な証拠があるわけではありません。

大切なのは、前夜だけで睡眠を取り戻そうとするのではなく、普段から自分に合った睡眠習慣を整えることです。 British Journal of Sports Medicine

マラソン大会の1週間前から実践したい睡眠対策

ここからは、研究結果を参考に、僕たち市民ランナーが取り入れやすい方法を考えてみます。

① 起床時刻を大きく変えない

大会当日は、普段より早く起きる必要があるかもしれません。

神戸マラソン2026は、第1ウェーブが午前9時、第2ウェーブが午前9時15分にスタートします。

さらに、手荷物預けやスタートブロックへの整列もあるため、スタート時刻よりかなり早く現地に到着する必要があります。神戸マラソン2026公式サイト

そのため、大会当日だけ極端に早起きするのではなく、数日前から無理のない範囲で起床時刻を調整しておく方法が考えられます。

ただし、睡眠時間を削ってまで早起きの練習をする必要はありません。

就寝時刻も含めて調整することが重要です。

② 大会前日は新しい睡眠対策を試さない

大会前夜に眠れないことを心配して、普段使っていない睡眠サプリメントや睡眠薬を自己判断で使用するのは避けたいところです。

眠気が翌朝まで残ったり、身体に合わなかったりする可能性があるためです。

特に、処方薬を使用している場合は、医師や薬剤師の指示に従いましょう。

普段から使っている寝具や、落ち着ける環境を整えることを優先したいですね。

③ 夜遅くの激しい運動を避ける

普段から夜にランニングしている方もいると思います。

ただし、大会直前は疲労を抜くことが重要です。

睡眠への影響には個人差がありますが、就寝直前の激しい運動は人によって寝つきに影響する場合があります。

大会前日は、走るとしても短時間の軽い運動にとどめ、疲労が残るような練習は避けるのが無難です。

【マラソン2週間前】練習を減らすと走力は落ちる?テーパリングの効果と失敗しない調整方法

④ 眠れない時間を気にしすぎない

大会前夜に眠れないと、つい時計を何度も確認してしまいます。

しかし、「あと何時間しか眠れない」と考えるほど、焦りが強くなることがあります。

そんなときは、時計を見続けるのをやめ、照明を落として静かな環境を整えましょう。

眠れない状態が長く続く場合は、無理に寝床で頑張らず、一度起きて落ち着ける活動をしてから戻る方法もあります。

睡眠のために何か特別なことをしようとするより、普段の生活に近い状態を保つことが大切です。

Garminの睡眠スコアが悪かったら、レースを諦めるべき?

最近のランニングウォッチには、睡眠時間や睡眠スコアを記録する機能があります。

毎朝数字を見ることで、生活習慣を振り返るきっかけになるのは便利です。

ただし、腕時計型デバイスの睡眠測定には限界があります。

睡眠時間や睡眠段階の推定には誤差があり、医療機関で行う睡眠検査と同じ精度ではありません。

そのため、大会前夜の睡眠スコアが低かったという理由だけで、当日の走力が落ちていると断定することはできません。

もちろん、実際に強い眠気や体調不良がある場合は別です。

その場合は、数値よりも身体の状態を優先してください。

大会前夜に眠れなかったら、当日はどうする?

もし大会前夜にあまり眠れなかった場合、まず確認したいのは身体の状態です。

眠れなかったこと自体を気にしすぎず、いつもどおりの朝食や準備を進めます。

ただし、強い眠気、めまい、体調不良などがある場合は、無理をしない判断が必要です。

また、睡眠不足を補おうとして、普段より大量のカフェインを摂取するのもおすすめできません。

普段からカフェインを使っている方でも、当日はいつもの量やタイミングを基本にした方が安心です。

そして、スタート直後から無理にペースを上げないこと。

睡眠不足が気になるときほど、序盤は身体の反応を確認しながら走ることが大切です。

まとめ|マラソン前夜の睡眠は大切。でも一晩だけで決まるわけではない

今回、アスリートの睡眠に関する研究を調べてみました。

103人を対象にした研究では、大会前夜に約7割が普段より睡眠状態の悪化を経験していました。

一方で、その研究では睡眠の乱れと競技成績の間に有意な関連は確認されていませんでした。

また、別のシステマティックレビューでは、大会前夜の睡眠が必ず悪化するという一貫した結果は得られていません。

これらの研究から考えると、大切なのは大会前夜だけに神経質になりすぎないことです。

普段から睡眠を確保し、大会までの数日間で生活リズムを整える。

そして、前夜に眠れなかったとしても、必要以上に焦らず、当日の体調を見ながら判断する。

僕も神戸マラソンに向けて、練習だけでなく、休むことも大切にしていきたいと思います。

速く走るために頑張る日もあれば、速く走るために休む日もある。

そんな考え方で、これからもランニングを続けていきたいです。

ランニング中の気分転換に音楽も

ランニング中の気分を切り替えたいときには、音楽も一つの方法です。

僕が制作しているランニング音楽は、ミチオトで紹介しています。

違うテンポでランニング音楽を楽しみたい方には、RunEchoもおすすめです。

無理に音楽のテンポに合わせて走る必要はありません。

その日の体調や目的に合わせて、自分が心地よく走れるリズムを選びたいですね。


参考資料・一次情報

記事の根拠となる研究と公式情報です。

1.大会前夜の睡眠と競技成績(2014年)

Lastellaほか「Athletes’ precompetitive sleep behaviour and its relationship with subsequent precompetitive mood and performance」

103人のアスリートを対象に、大会前夜の睡眠、気分、競技成績の関係を調査した研究です。

2.トレーニング・競技と睡眠のシステマティックレビュー(2019年)

Effects of training and competition on the sleep of elite athletes

大会前後の睡眠を含む複数の研究を検討した論文です。

3.アスリートの睡眠に関する専門家提言(2021年)

Sleep and the athlete: narrative review and 2021 expert consensus recommendations

競技者の睡眠不足、睡眠時間の個人差、睡眠改善の考え方をまとめた提言です。

4.神戸マラソン2026公式情報

神戸マラソン2026・マラソン募集要項

開催日、スタート時刻、コースなどを確認できます。

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