【マラソン2週間前】練習を減らすと走力は落ちる?テーパリングの効果と失敗しない調整方法

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フルマラソンまで残り2週間。

大会が近づいてくると、こんな不安を感じることはありませんか?

「今から練習を減らして大丈夫?」

「走らないと体力が落ちそう……」

「最後にもう一度30km走をしたほうがいい?」

僕自身、2026年2月に初めてのフルマラソンを完走し、現在は将来的なサブ3を目標にランニングを続けています。

2026年11月15日には神戸マラソンが控えています。

大会が近づくと、これまで積み重ねてきた練習をどこまで続けるべきなのか、悩むところです。

実は、スポーツ科学の研究では、大会前に練習量を減らすことが、競技パフォーマンスの改善につながると報告されています。

今回は、2023年に発表された研究を中心に、マラソン前の「テーパリング」について解説します。

1.テーパリングとは?大会前に練習量を減らす理由

テーパリングとは、大会に向けて練習負荷を計画的に減らし、蓄積した疲労を軽減する調整方法です。

長距離ランナーは、普段の練習によって心肺機能や筋持久力を高めています。

しかし、練習には身体への負担も伴います。

長距離走や高強度のトレーニングを続けると、筋肉や神経系などに疲労が蓄積することがあります。

大会当日に十分な力を発揮するためには、練習によって高めた能力を維持しながら、疲労を軽減することが重要です。

ここで知っておきたいのは、テーパリングは単に練習を休むことではないという点です。

練習量を減らしながら、必要な運動刺激は残す。

これが基本的な考え方です。

2.研究では練習量41〜60%減が有効と報告

2023年、持久系アスリートを対象としたテーパリングの研究結果が発表されました。

研究タイトルは、

Effects of tapering on performance in endurance athletes: A systematic review and meta-analysis

日本語では「持久系アスリートのパフォーマンスに対するテーパリングの効果:システマティックレビューとメタ分析」です。

この研究では、14件の研究を統合して分析しています。

その結果、テーパリングによってタイムトライアルの成績や疲労困憊までの運動時間が改善することが確認されました。

特に注目したいのは、練習量の調整です。

研究では、練習量を41〜60%減らし、練習強度と頻度を維持する方法が有効な選択肢として示されています。

また、テーパリング期間については、21日以内の複数の期間で有効性が認められています。

ただし、これは研究対象となった持久系競技者の結果をまとめたものです。

すべての市民ランナーが必ず41〜60%減らすべきという意味ではありません。

普段の練習量や走力、怪我の有無などに合わせた調整が必要です。

参考:2023年のテーパリング研究全文

3.練習量を半分にすると、どのくらい走る?

例えば、普段1週間に50km走っているランナーがいるとします。

練習量を40〜60%減らす場合、週間走行距離は次のようになります。

練習量の削減率週間走行距離
通常50km
20%減40km
40%減30km
50%減25km
60%減20km

普段50km走っているランナーなら、50%減は25kmです。

数字だけを見ると、かなり少なく感じるかもしれません。

しかし、大会直前の目的は、走行距離を積み上げることではありません。

これまでの練習で獲得した能力を、大会当日に発揮できる状態へ整えることです。

なお、上の表は練習量の削減率を理解するための計算例であり、個別の推奨メニューではありません。

また、研究で示された削減率を、ある1週間だけに機械的に当てはめればよいわけでもありません。

大会までの期間全体で、疲労の状態を見ながら調整することが大切です。

4.練習量を減らしても、スピード練習は必要?

テーパリングでは、走行距離を減らすことが基本ですが、運動強度まで大幅に下げる必要があるとは限りません。

2023年の研究では、練習量を減らしながら運動強度を維持する方法が有効と報告されています。

ただし、ここで注意したいことがあります。

運動強度を維持することと、普段以上に追い込むことは違います。

例えば、普段から短いペース走や流しを取り入れているランナーであれば、その一部を短時間だけ残す方法が考えられます。

一方、普段スピード練習を行っていないランナーが、大会直前になって急に高強度の練習を始める必要はありません。

強度を維持するという研究結果を理由に、新しい練習を追加することは避けたいところです。

大会前は、走った後に強い疲労を残さないことも重要です。

5.大会直前に30km走を追加するべき?

フルマラソンを目指すランナーにとって、30km走は気になる練習の一つです。

長い距離を走る経験は、持久力の向上や補給の練習に役立ちます。

しかし、大会まで残り10日程度となった段階では、長距離走による疲労が十分に回復するかを考える必要があります。

特に、普段30km走を行っていないランナーが、不安を解消するためだけに急に長い距離を走ることはおすすめできません。

走り終わった直後には達成感があっても、筋肉や関節に疲労が残る可能性があります。

大会前に必要なのは、最後にもう一度自分の限界を試すことではなく、これまで積み重ねた練習を無駄にしないことです。

もちろん、長距離走の適切な実施時期は、走力や練習計画によって異なります。

今回紹介した研究だけで「大会何日前までなら30km走をしてよい」と断定することはできません。

6.僕自身の練習から考える、大会前の調整

僕自身、2026年2月に初めてのフルマラソンを完走しました。

その後、故障によって思うように走れなかった時期もありました。

夏場は無理にスピードを追いかけるのではなく、少しずつ走る距離を伸ばしながら練習を続けてきました。

現在は神戸マラソン、そしてその先の大阪マラソンを見据えています。

最近の練習では、1km4分台前半のペースで走る機会もあります。

ただ、短い距離を速く走れることと、フルマラソンで最後までペースを維持できることは違います。

そのため、練習量をどこまで減らすべきなのかという問題は、簡単ではありません。

特に今回の神戸マラソンは、将来的なサブ3に向けた経験を積む意味もある大会です。

大会で良い結果を出したい気持ちと、その先の練習も継続したい気持ち。

両方を考えながら、無理のない調整をしていきたいと思います。

7.疲労が抜けているか確認したい5つのポイント

大会前の調整では、走行距離だけでなく、身体の状態も確認しておきたいところです。

例えば、普段と同じペースで走ったときに、いつもより負担が大きく感じられないか。

脚に重さや痛みが残っていないか。

睡眠は十分に取れているか。

朝起きたときの疲労感はどうか。

そして、走ることへの意欲が極端に落ちていないか。

こうした情報を組み合わせることで、疲労の状態を考える材料になります。

ただし、心拍数や主観的な疲労感だけで、身体の回復状態を正確に判定できるわけではありません。

痛みが続く場合や、体調に異常がある場合は、無理に練習を続けず医療専門家に相談しましょう。

Garminなどのランニングウォッチも活用

僕自身は、普段のランニングでGarminのウォッチを使用しています。

ランニングウォッチでは、距離、ペース、心拍数などを記録できます。

同じような条件で走ったときのデータを振り返ることで、調子の変化を考える参考になります。

ただし、ウォッチの数値だけで練習量を決めるのではなく、身体の感覚も大切にしたいところです。

GPSランニングウォッチの選び方。

購入時は、GPS精度、画面の見やすさ、バッテリー持続時間、心拍計測機能などを確認しましょう。

8.大会直前はシューズや補給も確認しておこう

練習量を調整する時期には、大会当日の準備も進めておきたいところです。

まず確認したいのが、ランニングシューズです。

大会直前に新しいシューズを購入しても、十分に履き慣れていなければ、足に合わない可能性があります。

普段の練習で使用しているシューズの状態を確認し、当日に使うものを決めておくと安心です。

また、補給ジェルなどを使用する場合は、成分や炭水化物量だけでなく、胃腸との相性も重要です。

大会当日に初めて試すのではなく、できるだけ事前の練習で確認しておきたいところです。

商品選びでは、炭水化物量、カフェインの有無、飲みやすさ、携帯性などを確認しましょう。

なお、すべてのランナーに同じ補給量が適しているわけではありません。

9.練習量を減らす時期こそ、走る楽しさも大切に

大会が近づくと、どうしても記録やペースが気になります。

ただ、ランニングは大会のためだけに行うものではありません。

僕自身、走ることを楽しみながら、少しずつ目標に近づいていきたいと考えています。

普段のランニングでは、音楽を聴くことも楽しみの一つです。

日本語のランニング音楽を楽しみたい方には、ミチオト。

違うテンポのランニング音楽を楽しみたい方には、RunEchoもおすすめです。

音楽のBPMとランニングのピッチを必ず一致させる必要はありません。

自分が心地よく走れるリズムを探すことも、ランニングの楽しみ方の一つだと思います。

屋外で音楽を聴く場合は、周囲の交通や歩行者の安全に十分注意しましょう。

10.まとめ|大会前は「もっと走る」より「力を発揮する準備」

マラソン大会が近づくと、練習量を減らすことに不安を感じるかもしれません。

しかし、2023年のメタ分析では、練習量を計画的に減らすテーパリングが、持久系競技のパフォーマンス改善に有効と報告されています。

特に、練習量を41〜60%減らしながら、運動強度や頻度を維持する方法が有効な選択肢として示されています。

ただし、これはすべてのランナーに当てはまる絶対的なルールではありません。

普段の練習量、走力、疲労状態、怪我の有無などを考慮する必要があります。

大切なのは、大会直前に無理をして走力を高めようとするのではなく、これまで積み重ねてきた練習の成果を発揮できる状態に整えることです。

神戸マラソン2026まで、あと11日。

僕自身も、今回の大会を次の挑戦につなげられるよう、身体の状態を大切にしていきたいと思います。


参考資料

1.2023年:テーパリングのシステマティックレビュー・メタ分析

Effects of tapering on performance in endurance athletes

14件の研究を統合し、テーパリングによるパフォーマンスへの影響を分析。

2.2007年:テーパリングのメタ分析

Effects of tapering on performance: a meta-analysis

27件の研究を分析。約2週間のテーパリングと41〜60%の練習量削減が有効と報告。PubMed

3.神戸マラソン2026公式サイト

神戸マラソン2026

大会開催日:2026年11月15日(日)。

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