【10kmが速くても安心できない?】フルマラソンのタイム予測は当たるのか|2,303人の研究と実測データで検証

10kmを速く走れるようになったら、フルマラソンでも良い記録が出せるのでしょうか?

ランニングを続けていると、気になるのが短い距離のタイムとフルマラソンの関係です。

例えば、10kmを45分で走れるなら、フルマラソンは何時間くらいで走れるのか。

僕自身、初めてのフルマラソンを経験し、現在は神戸マラソン、そして将来的なサブ3を目指して練習を続けています。

最近の練習では、10kmを超える距離を1km4分台前半のペースで走る記録も出ました。

ただ、短い距離を速く走れることと、42.195kmを最後まで走り切ることは別問題です。

今回は、市民ランナー2,303人を対象にした研究をもとに、フルマラソンのタイム予測について調べてみました。

1.10kmのタイムからフルマラソンを予測できる?

ランニングのタイム予測では、一般的に「リーゲルの予測式」と呼ばれる計算方法が使われます。

これは、ある距離の記録から、別の距離での予想タイムを計算する方法です。

例えば、10kmを45分で走った場合を考えてみます。

指数を1.07として計算すると、フルマラソンの予測タイムは約3時間30分になります。

10kmの記録フルマラソン予測
40分00秒約3時間06分41秒
42分00秒約3時間16分01秒
44分00秒約3時間25分21秒
45分00秒約3時間30分01秒
47分00秒約3時間39分21秒
50分00秒約3時間53分21秒

※リーゲル式の指数を1.07とした計算例です。実際の完走タイムを保証するものではありません。

この表を見ると、10kmの記録から目標タイムを考えやすくなります。

ただし、ここに大きな落とし穴があります。

予測式が示すタイムと、自分が実際に走れるタイムは必ずしも一致しないのです。

2.2,303人の研究で分かった、タイム予測の弱点

2016年8月26日、学術誌『BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation』に、市民ランナーの記録を分析した研究が発表されました。

研究タイトルは、

An empirical study of race times in recreational endurance runners

日本語では「市民持久系ランナーのレースタイムに関する実証研究」といった意味です。

研究では、2,303人の市民ランナーから収集したレース記録や練習情報を分析しています。

その結果、一般的なリーゲル式は、10kmやハーフマラソンまでの予測には比較的適合していましたが、フルマラソンの予測では実際より速いタイムを示す傾向が確認されました。

特に注目したいのは、約半数のランナーで、予測タイムが実際のマラソン記録より10分以上速かったという結果です。

研究チームは、過去のレース記録だけでなく、普段の週間走行距離などを加えることで、予測精度を改善できることも示しました。

なお、これは2016年発表の研究であり、今日発表された新しい研究ではありません。

また、研究対象の全員が10kmとフルマラソンの両方を走ったわけではなく、モデルの検証には条件に合う一部のランナーの記録が使われています。

参考:Vickers & Vertosick(2016)研究論文

3.僕のGarminデータなら、フルマラソンは何時間?

ここで、僕自身の練習記録も見てみます。

2026年11月2日のランニングでは、次のような結果でした。

項目Garmin記録
距離10.27km
走行時間44分55秒
平均ペース約4分23秒/km
平均心拍数139bpm
ピッチ175spm
平均歩幅1.31m

これを単純に10kmへ換算すると約43分44秒です。

さらに、先ほどの予測式に当てはめると、フルマラソンは約3時間24分となります。

数字だけを見ると、サブ3.5を達成できそうに思えます。

しかし、ここで注意したいのが、今回の記録は10kmの公式レースで全力を出した結果ではなく、普段の練習記録だということです。

10km付近まで走れたことと、30km以降も同じようなペースを維持できることは違います。

また、練習中の信号待ちや停止時間の扱い、当日の気温、疲労なども関係します。

この計算だけで、神戸マラソンの目標タイムを決めるのは危険だと思います。

4.フルマラソンでは「速さ」以外に何が必要?

研究からも考えられるのは、短い距離でのスピードだけでなく、長時間走るための準備が重要だということです。

長い距離への対応

10kmとフルマラソンでは、走り続ける時間が大きく異なります。

脚の筋肉や関節への負担、エネルギー消費、疲労の蓄積も違います。

ロングランは、長時間の走行に身体を慣らすことや、補給の練習などに役立ちます。

ただし、長い距離を走れば走るほど必ず良いわけではありません。

疲労や故障のリスクも考え、自分の練習歴に合わせて計画することが大切です。

普段の練習量

2016年の研究では、週間走行距離もマラソンのタイム予測に役立つ情報として使われています。

これは、10kmのタイムが同じランナーでも、普段どの程度走っているかによって、フルマラソンの結果が変わる可能性を示しています。

もちろん、週間走行距離だけですべてが決まるわけではありません。

補給とペース配分

フルマラソンでは、長時間の運動によってエネルギーを消費し続けます。

序盤に速く走りすぎたり、補給が合わなかったりすると、後半にペースを維持することが難しくなる場合があります。

練習で速く走れることだけでなく、当日の補給やペース配分も準備しておきたいところです。

5.「10kmは速いのに30kmが走れない」と悩む必要はある?

僕自身、ランニングを続ける中で、短い距離で出せるペースと長距離の走力の違いを感じています。

速いペースで10kmを走ることと、同じような負荷で20km、30kmと走り続けることは簡単には結びつきません。

過去には故障で走れなかった時期もあり、練習を継続すること自体の難しさも経験しました。

そんな中で、大切にしたいと思っているのが、無理に一度の練習で結果を出そうとしないことです。

調子が良い日は速く走れるかもしれません。

一方、疲れが残っている日は思うように走れないこともあります。

短い距離の記録が向上しても、フルマラソンの走力が同じ割合で伸びているとは限らない。

だからこそ、ペースだけではなく、走行時間、疲労の残り方、翌日の体調まで含めて考えたいと思います。

6.神戸マラソンまで12日。今から何を重視する?

2026年11月15日開催の神戸マラソンまで、残り12日となりました。

大会公式サイト:神戸マラソン2026

今の時期に10kmの自己ベストが出ても、それを理由に大会の目標ペースを急に上げる必要はありません。

また、不安を解消するために、これまで行っていなかった非常に長い距離の練習を急に追加することにも注意したいところです。

大会直前は、練習で積み上げた力を発揮できるように、疲労を管理することが大切です。

僕自身、今回の神戸マラソンは、さらに先の大阪マラソンやサブ3への挑戦につなげたい大会でもあります。

今できることと、これから伸ばしていく部分を分けて考えていきたいと思います。

7.ランニングウォッチは記録の振り返りに役立つ

僕が使っているGarmin Forerunner 165では、距離やペース、心拍数などを確認できます。

ただし、ランニングウォッチに表示される予測タイムは、実際の大会成績を保証するものではありません。

大切なのは、予測タイムだけを眺めるのではなく、過去の練習記録と自分の感覚を組み合わせて振り返ることです。

GPSの測定誤差や停止時間などにも注意し、異なる日の記録を比較するときは条件を確認しましょう。

▶ GPSランニングウォッチの選び方・比較

購入前には、GPS計測、バッテリー持続時間、画面表示、心拍計測機能などを確認しましょう。

▶ ロングラン用のランニングベルト・ポーチ

補給ジェルやスマートフォンを携帯したい場合は、収納力だけでなく、走行中の揺れや取り出しやすさも確認するとよさそうです。

8.ランニングを続けるために、音楽も楽しみたい

ランニングを続けていると、どうしてもペースやタイムが気になります。

でも、僕は走る時間そのものも大切にしたいと思っています。

普段はランニング向けの音楽も制作しています。

日本語の歌詞で気分を高めながら走りたい方には、ミチオト。

違うテンポのランニング音楽を楽しみたい方には、RunEchoもおすすめです。

曲のBPMと自分のピッチを必ず一致させる必要はありません。自分が気持ちよく走れる音楽を選んでみてください。

まとめ|10kmの記録は目安。フルマラソンは別の準備も必要

今回の研究では、一般的なタイム予測式が、実際のフルマラソンの記録を楽観的に見積もる傾向が確認されました。

10kmを速く走れることは、もちろん大きな強みです。

しかし、42.195kmを走るためには、持久力、練習の継続、補給、ペース配分、当日の体調なども関係します。

僕自身、最近の練習では以前より良い記録が出ています。

それでも、フルマラソンではどのくらいのペースを維持できるのか、まだ挑戦の途中です。

大切なのは、数字に振り回されず、これまでの練習と自分の身体の状態を理解すること。

短い距離の速さを、長い距離でも発揮できるように。

これからも楽しみながら、サブ3という大きな目標に向かって練習を続けていきたいと思います。


参考資料

Vickers AJ, Vertosick EA(2016年8月26日)
An empirical study of race times in recreational endurance runners.

BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation, 8, 26.

※本記事は公開研究と個人の練習記録をもとにした一般的な情報です。予測タイムや練習効果を保証するものではありません。

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